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立川らく朝の健康コラム

電車の中のピロリ菌

「最近ストレス多くってさあ、胃潰瘍できそう」なん台詞、オフィスでもしょっちゅう聞くよね。胃潰瘍とは、胃の粘膜などが傷ついて、ちょうど穴を掘ったように胃壁がえぐれてしまった状態。

胃って大変なのよ。強烈な酸の「胃酸」や、タンパク質を分解する「消化酵素」なんかが常に分泌されているから、下手すりゃ自分が消化されちゃう。だから胃は自分が消化されないように必死。そこで胃の表面には、上皮細胞や粘膜などのバリヤーが覆っていて、様々な刺激から胃壁を守っている。

でもその粘膜が傷つくと、そこから容赦なく胃酸や消化酵素が侵入してくるから、胃の壁に穴が掘れちゃうわけよ。胃は一旦掘れると弱いんだ。どんどんやられちゃう。こういうのを、「掘れ(惚れ)た弱み」っていうんだね。

さあこうなると表面を覆う胃粘膜はもう無くなってしまうから、その下の組織がまる出しの状態になるわけ。そこには神経もあれば血管もある。つまり痛みも出れば、出血もする。もし動脈が潰瘍の表面に露出すれば大出血、これは生命にも関わるから、ポピュラーなわりには馬鹿にできない病気だ。

ストレスが胃潰瘍の原因になることはよく知られているけど、嫌な上司ばかりがストレスじゃない。ストレスには精神的なことの他に、肉体的なストレスもある。過労や寝不足、不規則な生活、それにお酒やタバコも胃潰瘍の悪化要因。いわば、現代病の一つだね。

ところで、胃がストレスに弱いのは何故なのだろう。一つには、ストレスは自律神経を介して胃粘膜の血流を悪くするんだね。じつは胃粘膜には微細な血管が張り巡らされていて、これは「微小循環」と呼ばれている。ストレスはこの微小循環を悪くして胃粘膜の損傷を招き、胃潰瘍の原因を作ることになる。

こうなったらストレスなど何処吹く風とばかりに、「微小循環」ではなく、「微笑循環」といきたいもの。笑顔は全ての病気に打ち勝つ力だ。

もう一つ胃粘膜を傷つけるのが、かの有名なピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)。ピロリ菌は胃粘膜の表面に居るんだけど、ウレアーゼという酵素を体の外に出しアンモニアを作って胃酸を中和している。こうして自分の周りだけ快適な環境にしているんだ。だから胃の中でも生きられる。だけど、この酵素によって胃の粘膜が傷ついちゃうわけ。本当に迷惑なバクテリアだ。
それにしても、自分の周りだけ快適にしようと、電車の中でヘッドフォンステレオ聞いてる輩がいるでしょ。シャカシャカうるさくて、周りはみんなイライラして胃潰瘍になっちゃう。だから、そんな連中は「電車の中のピロリ菌だあ」。早く除菌してもらいたいもんだね、ほんと。


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