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立川らく朝の健康コラム

忘年会と新年会

年の暮れになると、物騒な事件が多くなる。それでなくたって最近は暗いニュースばかりで、小学生から老人まで、うかうかできない時代だ。小学校はとくにぴりぴりしていて、普段から生徒に指導してるそうだ。「見慣れない人がうろうろしてたら怪しい人なんだから、すぐに先生や警察に言いなさい」って。ある日、警察に子供から通報があった。「家の前に怪しい男がいる」とのこと。すぐに警察官が駆け付けてみると、ちょうど単身赴任のお父さんが家に帰ってきたところだった。こうなるとお父さんも可哀想。

この季節、よく駅のホームで見かけますよ、ベンチで潰れてる酔っぱらい。時にはお尻のポケットから財布が覗いてたりする。スリが財布をひょいとすって、してやったりと財布の中を見た。すると札の代わりに、飲み屋の請求書と一緒に、「後はよろしく」という手紙が入ってたんだって。世知辛い世の中になったもんだ。

年末になると恒例なのが、年忘れの会と書いて忘年会。「年」を忘れるのならいいけど、たまには「我」を忘れる人もいる。繁華街なんかでは、暴飲暴食のあげく酔っぱらいが喧嘩して怒鳴り合ってたりして、もうこうなると、忘年会ならず「暴年会」だね。
あまりきれいな話じゃなくて恐縮ですが、酔っ払って何度も嘔吐した後、ちょうどネルドリップに残ったコーヒーの入れ糟みたいなものを吐くことがある(今、ドリップで入れたコーヒーを飲みながらこれを読んでる方、御免なさい)。

じつはこれ、コーヒーじゃなくて、血液。何度も嘔吐すると、ついには嘔吐の刺激で胃の粘膜が傷ついて出血、量が多ければ吐血する。ただ、鮮血を吐いた場合は真っ紅だから、すぐにそれと分かるけど、胃の中でちょっと古くなった血液は黒くなるから、姿形(?)が、ちょうどコーヒーの入れ糟みたいになるんだね。

これはもうれっきとした病気で、その名も「マロリーワイス症候群」。耳ざわりはとても優雅な名前だが、嘔吐などの刺激で消化管出血をきたして吐血する、けっこうワイルドな病気だ。

こうなると食事どころか、しばらくは何も食べられない。年末の多忙の中で無理をして、その挙げ句にクリスマスパーティーで騒いだかと思うと、すぐに正月が来る。さあお屠蘇だの酒だのと、油断して飲んでいるうちに、本格的にダウンすることも。
年末は巷で「暴年会」、年が開けたら病院の待合室で、いつもの飲み仲間が顔を合わせることに。「やあ、どうも、あなたもですか」。皆で一緒に診察を受けて、これが本当の「診年会」なんて、駄洒落にもならない。まっ、今夜はほどほどで家に帰りましょうね。



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